我が家では二回目の柿の収穫

今年の夏は暑かった。各地で暑さの記録を更新し、地球温暖化の影響を強く感じざるを得ない夏となった。
その暑さは当然のことながら植物の生育にも大きな影響を与える。
農作物では野菜はもちろん、米にも甚大な被害を与えた。その一方で、今までは高嶺の花でとても手が出なかったシャインマスカットが大豊作で、値段が半値にまで下落し、我が家も何年かぶりでその恩恵を享受した。
果物は一般には暑さで豊作になることが多いが、今年の暑さは異常で度を越していたため、種類によっては大打撃になった場合も多い。リンゴや梨がその一例だ。今年はリンゴと梨が高値のためにまだ口にしていない。
一方で柿は、この高温でかなり恩恵を受けたのかもしれない。
街を歩いてみても9月下旬ごろにはかなり色付いた柿を至る所で目にした。例年に比べて随分早いと驚いた。
昨年に比べて一段と大きくなった我が家の柿の木でも、枝が折れんばかりにたわわに実った柿の実が、やはり9月下旬には色付き始めていた。


去年初めて実をつけた時には9個しか収穫できなかったが、一年後の今年は木も大きくなり、70個以上を収穫することができた。(写真はその一部)


ただ、柿の木としてはまだ幹も細く幼木に近いので、実をつけ過ぎたきらいがあり、最大の実でも209gと、昨年の216gには及ばなかった。
それに去年は確かに種無しであったのに、今年は少ないながらも種がある。何故???
これも異常な暑さの影響なのかもしれない。
甘さは昨年と変わらずとても強い。「麗玉」の一番の特徴だろう。食べ過ぎると糖尿病にでもなってしまいそうなので、今のところ毎日一個に制限している。

異常な暑さの影響は思わぬところにも現れた。
カメムシによる被害である。昨年は全く意識しなかったが、今年は庭でカメムシの姿を見かけることが多かった。カメムシは果実の大敵である。針の様な口を果実に突き刺し、果汁を吸うのである。酷い時には果肉がスポンジ状になって凹んだり腐ったりして食べられなくなってしまう。
果樹農家ではこのカメムシの害を防ぐために長期間農薬の散布を余儀なくされる。ちょっとした傷や黒ずみでも商品として出荷できなくなってしまうのだから仕方ないところだろう。
でも家庭で栽培する場合には、傷や黒ずみがあっても食用には実質的に差し支えがないので農薬を散布する必要はない。そもそも家庭で作る目的の一つは無農薬の果実を食べたいからでもある。
そこでカメムシの被害を最小にするために柿の実が完全に熟するまで待たず、早めに収穫する方法をとった。


写真にあるのが我が家のカメムシ被害の一例である。早く収穫したからこの程度で済んだと言える。この程度であれば食べる分には全く支障がない。しかし商品として出荷することを考えたらもうお話にならず、廃棄処分するしかないだろう。農家にとっては死活問題だろう。

日本では、実用上は問題ないものでも、商品として流通させるためには外観を異常に重視する。これにより廃棄される農作物は夥しい量になることだろう。もったいない話である。実質上問題ない傷物の農作物を流通させるシステムの構築が必要なのではないだろうか?
消費者も生産者も非常に助かると思うのだが、、、